30以上のNGOがオリンピックのゴールドスポンサーである東京海上に対して 化石燃料支援をやめるよう要請

東京(2021年3月25日)- 本日より、大手保険会社である東京海上に対して、壊滅的な気候変動を引き起こす化石燃料事業への保険引受および投資をやめるよう求める国際的なキャンペーンが世界中のアクションとともに始まりました。 本キャンペーンの開始は、オリンピックの聖火リレーのスタートと同時に行われており、オリンピックのゴールドスポンサーである東京海上の役割を浮き彫りにしています。

東京海上ホールディングス取締役社長兼グループCEOの小宮暁氏宛の公開書簡にて、国内外の30以上の団体は、「新規の石炭・石油・ガスの拡張事業への保険サービスが直ちに除外されるようなパリ協定の目標に整合した方針を採用するよう」求めました。署名者には、地域団体、先住民族のアライアンス、および国際NGOがいます。公開書簡の要請を増幅するために、これらの団体は世界中にある東京海上のオフィス前でアクションをしました。

Bangladesh Working Group on External Debt (BWGED)の代表である Hasan Mehedi は、

「私たちは、保険がなければ、バングラデシュのマタバリ石炭火力発電コンプレックスやメグナハット天然ガス火力発電所などの化石燃料事業を建設または運営することができないことを十分に認識しています。これらの事業は、気候危機に対して強じん性を持って対応するための私たちの選択肢を狭めるものです。もう待つ時間はありません。東京海上は、パリ協定および気候脆弱性フォーラムのマラケシュ宣言に整合して、全ての化石燃料への投資および保険引受を直ちに中止しなければなりません」と述べています。

2020年9月に東京海上が発表した石炭方針には、「原則として」新規の石炭事業への保険引受はしないとあります。しかし、Insure Our Future の分析によれば、この石炭方針は多くの抜け穴が含まれているため、進行中のあらゆる電力事業に保険が提供される可能性があります。抜け穴には、「当該国のエネルギー政策・エネルギー事情や事業継続の事情等」や開発輸出信用に関連する事業が含まれています。この石炭方針には、石炭からのダイベストメント(投資撤退)、石炭バリューチェーンの他の側面(関連するインフラ、鉱業、海運業など)についての言及や化石燃料事業によって侵害されることが多い先住民族の権利を尊重するための国際的に認められた基準の認識も含まれていません。

「環境・持続社会」研究センター(JACSES)のプログラム・ディレクターである田辺有輝は、

「東京海上は、日本政府のネットゼロ宣言およびパリ協定の長期目標との整合性を確保できていません。東京海上は、石炭やその他の化石燃料事業への保険引受や投資をしないことを約束する包括的な化石燃料方針を策定する必要があります」と述べています。

東京海上グループCEOの小宮暁氏は、気候変動を正面から取り組む必要のある最優先課題と主張しています。それにも関わらず、東京海上は、世界中の破壊をもたらす石炭・石油・ガス事業にとっての10大手保険会社の1つです。

The Indian Social Action Forum の Vidya Dinker は、

「東京海上などの大規模企業の広報声明の試練は、現地のコミュニティが経験することです。インド、オーストラリア、バングラデシュの地域住民や市民活動家は、アダニ社のゴッダ石炭火力発電事業のような石炭企業に強く反対しています。多くの機関投資家や保険会社は、望まれてもなく、必要ともされていない、破壊的なこのような事業から撤退しています。私たちは、東京海上が今回のオリンピックでコールドパートナシップとしてより速く、より高く、そしてより強くなることを求めます。同社は、人と環境にとって破壊をもたらすアダニ社のゴッダ石炭火力発電事業のような事業への保険引受を拒否しなければなりません」と述べています。

背景:

世界では、少なくとも26の保険会社が石炭事業の保険引受を停止、または制限する方針を採択しており、これは世界の再保険市場の半分以上を占めています。その結果、石炭企業は最大40%の利上げに直面をし、一部の事業は保険がかけられない状況になっています。

石炭に関わらないことは、保険会社にとって経済的な妥当性があります。2020年には、保険業界が気候変動に起因する災害により、820億ドルの損失を受けました。

ソシエテ・ジェネラルは、石炭からの撤退は保険会社の評価額を数億ドル増加させると発表しました。これは、2020年のムーディーズのレポートの調査結果を反映しています。本レポートでは、保険会社が石炭を取り下げることは、潜在的な気候変動の責任リスクから保険会社を守り、投資資産の座礁リスクを軽減するため、会社の信用向上にボジティブであると見なしました。これに関連し、アジア、ヨーロッパ、アメリカの国際ハブを運営し、240の子会社と480億米ドルを超える収益を誇るコングロマリットである東京海上は、世界中の石炭・石油・ガス事業にとっての10大手保険会社の1つであることから、明らかに気候変動対策で後れをとっています。

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