今こそ変化を起こすべき

1.5°C目標に沿った保険引受ポートフォリオに移行しネットゼロを実現するためには、大胆な気候変動対策が求められる

ライバル保険会社から、引き離されていく東京海上

東京海上の化石燃料に関する方針は、世界のライバル保険会社と比較して大きく遅れをとっている状態にあります。

同じく日本の保険会社であるSOMPOは、北極圏野生生物保護区保護区における化石燃料開発事業の新規保険引受と投資を行わない方針を導入しました。一方、東京海上は北極圏での化石燃料事業に保険を提供する余地を残しています。

東京海上と同様にNet-Zero Insurance Alliance (NZIA)のメンバーであるアリアンツ(独)やスイス再保険(瑞)などは、ポートフォーリオにおける石炭関連事業のフェーズアウト目標に加え、新規の石油・ガス開発事業の保険引受を制限する方針をかかげています。しかし、東京海上の石炭に関する方針には、新規事業への保険引受に関する重大な抜け穴があり、既存の保険契約更新に関してもいまだに制限が設けられていない状態です。新規の石油・ガス開発事業に関しても、東京海上は今後も保険を提供し続けることを良しとしています。

私たちは、東京海上に以下の方針を導入することを求めます

1)新規の石炭火力発電所と炭鉱開発への保険引受に関する方針の例外規定を取り除く

2)EUおよびOECD諸国では2030年までに、その他の国では2040年までに、段階的に全ての石炭関連資産を閉鎖する計画を設定していない石炭関連企業の保険引受を直ちに停止する

3)新規の石油・ガスの炭鉱開発および生産事業の保険引受を直ちに停止し、1.5°C目標の経路に沿って石油・ガス会社からのフェーズアウトを開始する

4)第三者の代理で運用している資産を含め、1.5°C目標の経路に沿っていない石炭・石油・ガス会社からすべての資産を引き上げる

5)スチュワードシップ活動や業界団体への加盟、ならびに株主および企業市民としての公的立場において、透明性のある形で1.5ºC目標の経路に沿った取り組みを拡大する

6)「先住民族の権利に関する国連宣言」に明記されている「自由意思による、事前の、十分な情報に基づく同意(Free, Prior and Informed Consent:FPIC)」の権利をはじめとするすべての人権を、顧客である事業者が十分に尊重していることを保証するための強力なデューデリジェンスと検証メカニズムを確立する

気候科学者の提言

1)2025年までに世界の温室効果ガス排出量はピークを向かえる必要がある(IPCC AR6ワーキンググループIII

2)2021年以降、新規の石炭・石油・ガス事業の開発を行うべきではない(国際エネルギー機関 (IEA) NZE 2050

3)炭素回収・貯留付きバイオマス発電(BECCS)および炭素回収・利用・貯留(CCUS)は商業的な実現可能性に乏しい一方で、電力の100%を再生可能エネルギーで発電すれば、1.5°Cシナリオを実現することが可能である  (One Earth Climate Model)

今すぐに行動を起こせば、気候変動が招く最悪な結末を変えることができます

This project is supported by:

賛同団体