東京海上:2021年度の企業グリーンウォッシュ賞の有力な候補

日本最大の損害保険会社である東京海上は、気候変動対策のリーダーになることを望んでいますが、グリーンウォッシュ(見せかけだけの環境配慮)企業のリーダーにならないためには、石炭など化石燃料への支援を段階的に廃止する必要があります。

東京海上は「to be a good company」を企業メッセージとして掲げ、グループCEOの小宮暁氏は気候変動を「真正面から取り組むべき最優先課題」と述べています。同社は科学的根拠に基づく気候目標(SBTイニシアティブ)を追求することを約束しており、他にも様々な企業の気候変動に対する提案に署名しています。

東京海上は石炭・石油・ガス事業に保険サービスを提供する10大保険会社の1つです。同業他社38社はオーストラリアのアダニ社の巨大なカーマイケル炭鉱事業への保険引受を拒否していますが、同社はしていません。すでに世界の保険会社28社は(内4社は東アジアの同業他社である韓国の保険会社)、明確な脱石炭方針を示していますが、同社は明確な脱石炭方針を採用していません。

Insure Our Future キャンペーンは、新規の化石燃料事業が継続するよう保険を提供している東京海上を今年3月に公開した新しいウェブサイトで指摘しました。これ以来、世界中の東京海上オフィス前では環境活動家が何度も抗議を行い、途上国を含む30以上の団体が同社のグループCEOに対して、公開書簡で新たな化石燃料事業への支援を停止するよう要請しました。東京海上から返答がなかったため、同社はAIGとロイズ・オブ・ロンドンとともに「石炭への保険を引き受ける最後の保険会社」としてフィナンシャル・タイムズ紙の全面広告で批判されました。

東京海上は、貧しい国々のエネルギー安全保障を確保するために石炭は依然として必要であると主張しています。しかし、5月には世界有数のエネルギーシンクタンクである国際エネルギー機関(IEA)が報告書を発表し、全ての新規化石燃料事業は、地球の平均気温上昇を1.5度に抑える目標と整合せず、エネルギー安全保障と経済成長を確保するために必要ではないことを指摘しました

アントニオ・グテーレス国連事務総長はIEAの調査結果が保険会社に影響を与えると述べました。グテーレス氏は先週行われた保険会社の幹部の集会で、「損害保険会社は石炭及び化石燃料事業への保険引受を含めたポートフォリオにおけるネットゼロ目標を設定する必要があります。COP26は石炭の終わりを示すものでなければなりません。」と述べました。

5月28日、東京海上は「2050年カーボンニュートラル実現に向けた気候変動対策の推進」を発表し、ついに世論の圧力に応えたかのように見えましたが、何か新しいことはあったのでしょうか?対策には、事業運営(電球やプリンター等)の二酸化炭素排出量の削減、駐車場内の電動車数の増加、植林プロジェクトへの継続的な支援が含まれています。しかし、同社は保険サービス提供先の化石燃料事業については完全に沈黙しています。

東京海上の発表は、オフィス内での喫煙を禁止しているものの、世界中の若者に対してタバコの販売を推進し続けているタバコ会社を連想させます。それは、カフェテリアでのギャンブルを禁止しているものの、カジノ中毒を助長し続けるカジノ会社のようです。また、自国内での殺戮兵器の使用を禁止しているものの、他の場所ではそれを促進している兵器メーカーのようなものです。

銀行が資金提供する事業からの排出量は、銀行の運営における排出量の平均700倍以上あることをカーボン・ディスクロージャー・プロジェクトが4月に発表しました。この数値は、保険会社が引き受けた事業からの排出量と同じように見えます。東京海上は、保険引受先の事業をカバーしていないカーボンニュートラル計画発表により、今年のエコビジネス・グリーンウォッシング賞の有力な候補になります。6月28日に年次株主総会を開催する同社は、野心的な気候変動対策を求める環境活動家、機関投資家、顧客からの期待に応えるために、さらに多くの取り組みを行う必要があります。

Insure Our Future が行なったツイッター投票では、東京海上が取り組むべき最も重要な気候変動対策として、圧倒的多数の投票者が石炭火力事業への保険引受の停止に投票しました。6月28日に年次株主総会を開催する同社は、気候変動を重視する活動家、投資家、顧客からの評判を取り戻すために石炭への支援を直ちに止める必要があります。

 

Peter Bosshard は Insure Our Future キャンペーンのコーディネートをしています。

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